第2稿は「住居」に関してサクッと書いてみます。結論から先に言うと奄美への移住における住居探しは予想以上に大変です。皆さん苦労しています。移住希望者が最初にぶつかる壁ですので、その点についてはそれなりの覚悟が必要となります。その点について書いてみたいと思います。
私の知る限りでは、奄美が気に入って移住しようと思った方の多くがまずぶつかるのが住宅問題です。まず住む場所が見つからないことには夢の移住生活も始まらないですよね。奄美には不動産屋の数が名瀬に10数件ある以外はほとんどありません。その上名瀬の不動産屋はほとんど名瀬中心の物件ばかりで、周辺の集落エリアの物件はほとんど取り扱っていません。仮に数件物件があっても移住希望者に簡単に物件を紹介してくれません(ただし名瀬の公的機関の職員や教員、公務員等の転勤族はその限りではありません)。
各集落を見て回ると驚く程実際は空き家の数は多いのです。私の住む集落の隣までよく散歩で歩くのですが、約半分位が空き家って感じです。何故そういった空き家物件を借りることができなのでしょうか。それは不動産屋ルートでは難しいということです。取り扱い物件が圧倒的に少ないこと。仮に不動産屋が物件を扱っている場合でも地元に住む保証人を2人つけるとか色々な条件をつけてきたりして借りにくいこと。移住者には貸さないと条件を出すオーナーも少なくないです。あちこち回って借りることができず困っている移住希望者を多く見聞きします。
田舎の集落(しまと呼びます)の不動産取引の市場は「口コミ」「縁故関係」です。見知らぬ外部から来た人に、そうは簡単に家を貸してはくれないのです。「信用関係」がマーケットですからそこの人と顔見知りの関係になる何らかの手立てが必要です。一番早いのがゲストハウスなどに2ヶ月〜半年位住んでいるといくらかの人間関係ができてくる中で、口コミで住む場所を紹介してもらえる形は理想だと思います。そんな形で入るか、あとは奄美に知り合いが居てその人に住宅探しの助っ人になってもらうという方法でしょうか。
空き家が多いのに物件がないという背景は(少しずれますが)親族が多く権利関係が複雑で貸せない物件が多いということや、現状空き家でも親族が数年に1度集まれる様に残しておきたい。お墓を大事にする感覚に近く、知らない人に貸したくない、とかがある様です。
あと最近活発に動いている、私もお世話になった方が運営している、空き家を安く借りて自分でリフォームして住むという方法があります。これは若い方向けですが、意外と現実的な方法かも知れません。兎に角奄美には空き家が多いのです。その法人が家主から借り受けサブリース物件として紹介してもらえると思います(ネットで検索できます)。当然家賃は結構安めとなります。実際そうやって近所に大阪から来て住んでいる方がいらっしゃいます。
私の場合は実にラッキーなケースなので、あまり参考にならない可能性が高いですが一応紹介します。コロナ禍が激しくなり奄美へ訪れる人も少ない頃に3回4回と奄美へ通っているタイミングで幸運な形で見つかりました。お家賃はちょっと高め52,000円です。島北部の集落にあって名瀬から1時間位の田舎の物件ではありますが、行政が移住者用に斡旋する「空き家バンク制度」に助けられて、5DKの30坪庭付き3台駐車スペースという稀少物件が見つかりました。1人で住むにはあまりにも広過ぎて、もっと小さい安価物件が勿論希望でしたけれど、住宅探しの大変さは十分前知識があったので、そこに決めました。家賃の負担感は正直感じています。
他にも「住」に関してはたくさんありますがこの辺で。今回は住宅探しが実際は大変なことをお伝えしました。移住を考えている方はその辺りを十分に頭に入れてください。ありがとうございました。